日本
やぶきたは、日本で最も広く栽培されているお茶の品種で、全国の茶園面積の約62%を占めます。なかでも茶産地として知られる静岡では、その割合は85%にも達します。
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商品名:山あい和紅茶
秩父の入り口、横瀬町芦ヶ久保で、江戸時代から続く山あいのお茶づくり。
日本茶インストラクターの資格を持つ生産者様が、継ぎ手のいなかった茶畑を引き継ぎ、栽培期間中は農薬や化学肥料を使わずに大切に育てていらっしゃいます。
3g
150ml
90-100℃
4分
やぶきた和紅茶は、熱湯で3〜5分を目安にじっくり抽出し、まずはストレートで味わうのがおすすめです。
やぶきたは元来、日本の緑茶専用の品種で、カテキン(渋み成分)は紅茶専用品種に比べてやや穏やかです。そのため、長く蒸らしても渋み・苦味が出過ぎず、旨味や甘味が前面に出ます。温度や蒸らし時間を調整することで、甘みや渋みの変化を楽しむこともできます。
淹れ方の基本は、イギリス式のゴールデンルール(古くから伝わるもっともポピュラーで正統な淹れ方)を参考にしてください。ただし繊細な甘みや、マイルドなテイストがお好みの場合は、沸騰直後のお湯ではなく一呼吸おいたお湯(90~95℃)で淹れるのがおすすめです。
ゴールデンルールの中で、とりわけ大切なポイントは以下の通りです。
発見と命名の背景
「やぶきた」は1908年(明治41年)、静岡市出身の民間育種家・杉山彦三郎氏(1857–1941)によって選抜されました。杉山氏は、当時の茶業改良に大きな影響を与えた育種家・多田元吉氏の指導を受け、その育種思想をもとに数多くの優良品種を試験栽培していました。その中で、竹やぶを開墾した茶畑の北側にあった樹に優れた性質を見出し、「やぶきた(藪北)」と名付けたのが始まりです。
品質と特性
やぶきたは、高品質な茶葉を安定して生産できるだけでなく、耐寒性や耐凍害性、幅広い土壌への適応力にも優れています。この万能性により、煎茶をはじめ玉露や抹茶など多様な茶種に利用でき、農家・消費者双方から支持を集めました。
普及の歴史
杉山氏は生前、この品種の真価が全国的に評価される前に世を去りましたが、彼の没後、やぶきたは静岡県奨励品種となり、1953年(昭和28年)には農林水産省の登録品種として全国に普及しました。現在では日本の茶園面積の約6割を占め、まさに日本茶を代表する品種となっています。
母樹の保存
やぶきたが発見された母樹は、現在「杉山彦三郎記念茶畑」に移植され、静岡県の天然記念物として保存されています。この地は、日本茶の品種改良史において重要な足跡を残す場所です。
べにふうきは、国内外の品評会で上位を争う和紅茶界のエース。華やかな香り、濃紅の美しい水色が魅力。